ショールームに行くまえに

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ショールームでは、陳列されている商品をただ漠然と眺めるのではなく、しっかりとした目的意識をもって見学したいものです。そのためには、あらかじめ確認すべき項目を押さえておくように心掛けましょう。ここでは、その一例として、浴室とキッチンのチェックポイントを紹介することにします。
浴室
【種類 在来工法とユニットバス】
工期●ユニットバスは、短工期でリフォーム向き。
予算●在来工法のほうが割高。ユニットバスは、機種によって価格の幅はあるが、定価があるので、予算が立てやすい。
機能●在来工法では、自分の好みに合った機能を組み込んだり、好きなパーツを選択する楽しみがある。ユニットバスは、あらかじめさまざまな機能が付いているが、パーツ類の選択肢は数種類しかない。
【浴槽の材質】
FRP樹膳●安価、軽い。傷つきやすく、24時間風呂対応は不可。
ホーロー●高級感あり、保温性大、発色良、衛生的。重量があるため、傷つけると補修が困難。
ステンレス●丈夫、衛生的、保温性大。冷たい感じあり、もらいサビしやすい。
人工大理石(アクリル系)●デザイン性良、カラー豊富、24時間風呂対応可。高価。
人工大理石(ポリエステル系)●デザイン性良、カラー豊富、アクリル系に比べて安価。24時間風呂対応不可。(可のものもあり)。
木質●高級感あり、暇かい感触。高価。特殊加工品を除き、手入れが大変。
【そのほかのチェックポイント】
機能として、ジェットバス・気泡バス・24時間風呂。種類として、和式.折衷式・洋式。設置形態として、据置き・半埋込み・埋込み、などがあげられる。また、水栓金具、排水、シャワーなどにも配慮したい。最終的には、入浴のスタイル・浴室の広さ・設画場所・年齢・身長・清掃性・安全性などから決定する。
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キッチン
【カウンターの材質】
ステンレス●熱に強い。エンボスなど傷の目立たない表面加工が特徴。
人工大理石●デザイン性に優れ、自由な形状が可能となる。色・柄が豊富で、高級感あり。価格高。
メラミンボストフォーム●安価、耐熱・耐久性に優れる。傷の補修は難しい。
天然石●高級感があり、意匠性が大・加工性に難があり。重くて高価。
タイル●目地の処理に防カビを施す必要あり。
*奥行は、60・65・75cmが目安。とくに、カウンター前に出窓がある場合は注意が必要。
【シンクの材質】
ステンレス●ステンレスカウンターと一体型。一般的。
樹囲シンク●ステンレスシンクに樹脂をトップコート。カラフル。刃物の傷などには弱い。
人工大理石シンク●カウンター一体型。メンテナンス性に優れる。高級感、デザイン性あり。
ホーローシンク●発色美しい。硬いため、お皿などが割れやすい。
【シンクの材質】
シングルシンク●70cm前後
セミジヤンボシンク●90cm前後
ジャンボシンク●120cm前後一槽式・二槽式
バーティシンク●アイランドカウンターなどの小型のサブシンク
【そのほかのチェックポイント】
水栓金具として、シングルレバー混在栓・シャワー水栓・浄水器用水栓(専用と兼用)。調理機器として、一般的で安価なガス、安全で熱効率の高い晒気、などがあげられる。最終的には、料理の習慣はもちろんのこと、独立型・セミオープン型・オープン型などのキッチンレイアウトを考慮に入れて決定する。

あらゆる候補のなかからベストのものを選択する

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私の事務所では、最低三回はショールームへ一緒に行ってもらうことにしています。その第一回目が、すでに述べましたが、設計案の絞り込みが終了し、基本設計が決まるころになります。なぜなら、このまえだと施主の関心が間取りに向かっている状態で、家のイメージが固まっていないため、あまり効果が期待できないからです。この時期には、そんなに広い空間ではない、たとえば浴室などを見てもらいます。浴槽がセレクトできれば、同時に床や壁のタイルなど、全体のカラートーンを決定することが可能になるわけです。第二回目は、こちらが全体の予算を提示したときです。私の事務所では、あらかじめ施主から聞いていた「こだわり」に従いつつ予算も考慮に入れたものを、いくつか選択しておきます。そして、それをボードに張り付け、施主にはそのボードを持ってショールームに行ってもらうわけです。ハウスメーカーの場合だと、大量買い付けによるコストダウンをはかるため、限られたメーカーや材質のなかから、材料・色を選ばなければなりません。でも、私の事務所の場合は、あらゆる方面から、選りすぐったよりよいものを提案するようにしています。なぜなら、いろいろなものから、自分の気に入ったものを選ぶという楽しみは、家づくりの特権だと思うからです。そして第三回目が、工事が着工してからになります。先ほども述べましたが、浴室などの狭い空間であれば、全体のカラートーンを決定することができます。でも、天井やリビングの床や壁などは、実際に工事に入って、ある程度の骨組みができあがった状態でなければ、イメージをつかむのは難しいものです。そこで、私の事務所では、屋根や外壁の材料をはじめ、フローリングや壁の材料などの大きなサンプルを取り寄せ、工事現場で施主に見てもらうことにしています。部屋のなかで小さなサンプルを見るのとは違った印象となり、最終決定する際の格好の判断材料となります。
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家のトータルコーディネートは自然の色彩をベースにこのように、ショールーム見学は、着工まえからはじまり、工事中も続行されるものです。そこで、施主が決定しなければならないことは、さまざまありますが、これを「義務」と考えないことが大切です。実際、床材やタイルなどの素材選びの作業は、やってみるとつい熱中するほどなので、ショールームも楽しみながら利用したいものです。ただ、一つだけ注意したいのが、家はトータルコーディネートされる必要があるということ。たとえば、色について言うなら、あまり突飛なものに対しては、施主の希望であっても受け入れられないことがあります。日本人にとって落ち着く色彩というのは、木や大地などの自然の色で、たとえるなら地球色なのです。色彩は、それこそ無限に存在するものですが、そのうち住まいで使われるのは、日本古来の自然色で、グレーやベージュ、茶あたりが基本になります。そこで私は、地球色といわれる色をベースにしながら、この色以外を用いてアクセントを付けることで、「飽き」がこないよう工夫しています。こうした家のトータルコーディネートについては、施主にショールームに行ってもらうまえにきちんと説明することにしています。「好み」を言い出すときりがないし、高価な設備機器を設置したからといってうまくいくとは限りません。いろいろな要素がからみあい、トータルとして、いい家ができあがるということを忘れないでほしいものです。

着工から完成までのポイント

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ショールームの有効な活用方法
ショールームで実物に触れインテリアイメージを磨く
着工から完成までに施主がやらなければならない重要項目をピックアップして紹介していくことにします。
予算が許す限り、もしもの時の為の設備も検討しましょう。←こちらのサイトでいろいろな物件を見られます。
設計案の絞り込みができたら、ショールームに行って、設備機器の大きさやグレードなどを決める必要がありました。それまでは、図面やスケッチといった二次元のものを中心に家のイメージを膨らませてきましたが、つぎの段階になると、実物をイメージしながらの検討になります。この「ショールームに行って何かを選ぶ」という行為は、設計から着工に至るまでの橋渡しの役目を担うもので、じつを言うと、あとで詳しく述べますが、この行為は、工事が開始されてからも続くことになるのです。なぜショールームに行ってもらうことにしているかというと、そこには、さまざまな発見があるからです。たとえば、カーテン一つとってみても、何年かの海外生活の経験があるなら別ですが、社宅や団地暮らししかしてこなかった場合は、具体的なイメージがわかないものです。でも、ショールームで、色・材質・形状などを目で見て、手に取って確かめることで、イメージが喚起されてくるものなのです。もともとインテリアイメージを磨く方法というものはありません。親からいつも本物を見せられて育ったなら、それなりのセンスが身につい ているでしょうが、そうでない場合は、どうしても、自分の生活体験からくる「好み」に偏りがちです。とくに、「近所や友人の家で見た」といった数少ない知識で判断してしまうことがいちばん危険なのです。ですから、みなさんがクルマを購入するときに何度もショールームを訪れるように、できるだけ数多く足を運んで、たくさんの物を見ることによってセンスを磨いてほしいものです。

工事変更による増額をあらかじめ予定しておく

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全体の予算を決定するうえで、忘れてはならないのが工事変更の存在です。
すべき手続きはしっかり行いましょう。←ここのサイトから不動産のリフォームなどに関する知識を得ましょう。
どんなに図面の状態で詳しく見ていたつもりでも、実際の工事に入り、自分の家が三次元となって眼前に現れてくると、新たな要望が出てくるものです。工事変更が発生すると、当然のことながらコストがかかってしまいます。ただ、このコスト増に関しては、前向きにとらえてほしものです。なぜなら、こういった要望は、施主の家づくりに対する熱意の表れにほかならないからです。下の表で、M邸新築工事のおもな追加項目をピックアップしてみましたが、細かく数えるなら、4月6日の時点で施主希望のものが2,3、私の事務所で提案したものが5つ、合計で28もありました。もちろん、工事変更といっても、全部が高額なコストを必要とするわけではなく、なかには「減額」の要素を含んだ場合もあります。しかし、いずれにしても、工事が開始されると、よりよくするためのコストが必要になってくることを、あらかじめ意識しておく必要があります。ギリギリの予算でスタートすると融通が効かなくなるということを、念頭に入れておいてください。ちなみに、その目安として、予算総額に対して1割から1.5割程度、確保しておくといいでしょう。

建築家が「コストダウン」で工夫すること

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目に見える部分だけでなく目に見えない部分も削減する
2割から3割増しの予算を提示すると、なんとかお金の都合をつけようとする施主もいますが、たいていは、「100万円ぐらいのオーバーで収めてほしい」といったように、コストダウンを希望することが多いのです。そこで、コストダウンした予算を再提案することになるわけですが、ここで重要なことは、あくまで施主の「こだわり」に従いつつ、最低限の基準をクリアしながら、コストダウンするということです。これまで何回か述べてきましたが、「コストダウン」が最終目標ではなく、施主の家づくりに対する希望が主役であることを忘れてはならないのです。そもそもコストについては、施主が理解できない部分が、全体の五分の四ぐらいあるのです。それは、基礎や土台といった構造体の部分で、「木工事」が予算の3分の1ぐらいを占めています。こういった基礎工事や仮設工事などの専門知識を要する部分に対しては、施主はわからないので、なかなか口を挟むことができません。その結果、目に見えるもの、たとえば照明器具をはじめ、ビニールクロスやドアなど、カタログで値段を確認できるものだけに目がいってしまいがちになります。しかし、この部分は全体予算のたかだか5分の1ほどでしかなく、コストダウンの要素となるにせよ、決め手にはなりえないのです。ちなみに、コストダウンしやすいものとしては、外装材、設備、建具、家具、内装材、開口部(アルミサッシの種類)などがあげられます。ハウスメーカーの場合も、この目に見える部分のみのグレードを下げることでしか、コストダウンしてくれません。でも、建築家の場合は違います。建築家は、目に見える部分の「質を下げて」削減するだけではなく、反対に、目に見えない構造体の部分(全体予算の5分の4の部分)からもコストダウンするように、つねに心掛けています。そして、その浮かしたコストを、目に見える5分の1の部分に回すように工夫するのです。換言するなら、融通を利かせていかにコストを「総合的」にダウンさせるかが、建築家の腕の見せどころになるわけです。このようにコストダウン1つを考えても、決して設計料は高くないということが、おわかりになると思います。
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「減額」も「増額」も同時に考慮する
それでは、どのように「総合的にコストダウン」しているか見てみることにしましょう。施主の目標金額に近づけるために提案したものです。木工事で収納造作の仕上げを変更したり、家具工事を造作工事に変更したりなどするほか、子供部屋の二つの床暖房を中止するなど、少しずつコスト削減していることがわかるはずです。このほか、一部市販の家具をビルトインにしたり、同じ自然の素材でも、塗り方や吹き付け方法を変えたりと、いろいろ提案します。コストダウンする際は、「減額」も「増額」も同時に考慮する必要があるのです。コストダウンするのは簡単ですが、あとさきのことを考えない減額は無意味です。どうしても予算が足りない場合は、配管とか設備などの今しかできないもので予算を削るのではなく、あとでもできることは、思い切って住んでからの二期工事にすることを考えるべきです。なんでもかんでも無理して予算内ですべてをやってしまうと、あとあと後悔することになります。

最初の予算提示では二割から三割増しになる

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それでは、具体的な予算について見てみることにしましょう。私の事務所では、一二八ページのK邸新築工事概算表の例のように提示することにしています。「建築工事」「設備工事」といった分類や、それぞれにおける工事項目は、多少の違いはありますが、だいたいこんな感じだと思います。ここで注目してほしいのは、仕様の違いについてです。壁と天井、外壁の仕上げを、コテ仕上げにするか吹き付けにするかで、金額が約90万円も違ってきます。この場合は、「見た目」のほか、質感やグレードの選択になるわけです。転居やリフォームを機に家具について再考してみるのも良いかもしれません。
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全体の予算を決定するときは、あくまでも施主の希望に合わせた家づくりがポイントになるということを、もう一度繰り返しておきます。たとえば、施主が体にいい素材を希望していたのに、ほかにコストがかかってしまい、「ワンランク下」のものを提案しなければならなくなったとします。こうした場合は、ただ単純にコストダウンをするだけでなく、施主の当初の希望どおり、「体にいい」というコンセプトは外さないように心掛けるのが重要なのです。こういった細かい事柄に対処するため、私の事務所では、さまざまな素材をつねに吟味検討することにしています。そして施主は、ここで仕上げ材とコストの関係を把握することになるわけです。さて、予算については、まえに述べたとおり、施主から予算を言われない限り、私からは聞かないようにしています。なぜなら、何回もの打ち合わせを重ねていくと、だいたいの予算の見当がつくからなのです。そして、最初の予算提示は、施主の希望を全部取り入れたものにします。その結果、施主が予定していた予算の2割から3割増しのものとなってしまうことが多いようです。そこで、双方でコストダウンについて検討していくことになるわけです。

基本設計決定までに大まかな予算検討を

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設計案をもとにしながら施主の重だわり」を実現する
間取りは非常に重要です。←こちらのサイトからいろいろな間取りを参考にできます。
第2章と第4章をお読みいただければおわかりのとおり、基本設計が決まるまでには、何回もの打ち合わせを経て、何種類もの設計案が検討されることになります。私の事務所では、こうした具体的な打ち合わせをしながら、同時に予算の検討を進めることにしています。なぜなら、予算を決定するためには、その家の設計案が重要なカギを握ってくるからです。たとえば同じ床面積であっても、家の形が四角形なのかL字型なのか、あるいはコの字型なのかによって、屋根や外壁の面積が違ってきますので、当然のことながらコストも違ってきてしまうわけです。ただし、ここで家の形一つひとつの設計案に対し、コストがいくらかかるといった説明をしていたのでは、話がまえに進まなくなるということはすでに述べたとおりです。そこで私の事務所では、基本設計が決まるころに、全体の予算を施主に提示することにしています。そのために、だいたいの設計案が決まり、家のスケッチや模型などが出てくるころに、施主にはショールームを何回か見学してもらい、設備機器の内容やグレードを決めてもらうことにしています。そして、施主のこだわりの部屋、こだわりの材質、こだわりの設備などを聞き出し、その全体像を把握するように努めます。このような手順を踏んで、基本設計が決まるころに全体の予算を提示すれば、打ち合わせがスムーズに進行するだけでなく、上手に施主の希望を取り入れることが可能になるのです。

予算を決定するにはコスト配分がポイントとなる

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繰り返しになりますが、家づくりをするときに「はじめに予算ありき」ではスタートしない、ということが私の考え方です。全体の予算を決める場合、実際問題として、その土地に対する容積率や建ぺい率も重要な要素となってきますが、最初はこれらのことも考えずに、施主がどんな家に住みたいかという家づくりに対する希望を聞いていくことにしています。施主の家づくりに対する希望が明らかになってくると、たとえば、それが容積いっぱいの家を望んでいるのなら、仕上げや設備に対するコストは低く抑える必要が出てきます。反対に、年配者などの場合は、容積はそんなに必要としないことが多いので、設備の充実に力点を置くことになります。こういったことは、家のあらゆる部位に関係してきます。たとえば、「子供部屋はグレードを落としても、リビングにはお金をかけてください」といった場合は、子供部屋には安い板貼りを使い、リビングは質感のいい木材にするなどの工夫を施していきます。キッチンにしても、たとえば、システムキッチンを導入する場合、最低限の機能性をもったものにするか、最高級のものにするかで、場合によっては数百万円の差が出てきてしまうのです。全体の予算を決めるには、こういったコストをどのように配分していくかがポイントになります。つまり、ある箇所ではお金をかけたから、ある箇所では低く抑えようといった、予算の絞り込みが必要となってくるのです。
その他の不動産、リフォームに関する知識や情報は、←こちらからどうぞ。
もちろん、こうした配分は、建築家が独断と偏見で行うわけではなく、あくまでも決め手は、施主の「家づくりに対する希望」にあるということを押さえておいてもらいたいものです。

「はじめにお金ありき」でスタートしない

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予算に縛られた家づくりでは好結果が期待できない
対策はたくさんある。自分に合った方法を選ぼう。←ちなみにこちらからは多くの物件を見ることができます。対策を見て参考にしましょう。
メーカーや工務店に依頼する際に、まずはじめに予算を告げてから、家づくりの具体的な検討に入るということになってしまうわけです。たしかに、ハウスメーカーや工務店の場合は、はじめに予算を言っておかないと、金額がかさんでいく傾向にありますから、しかたのないことだと思います。でも、「はじめに予算ありき」でスタートしてしまうと、予算オーバーしてしまったときに、本来自分たちがもっていた「家づくりに対する希望」をどんどん切り捨てていくことになってしまうのです。これでは本末転倒もいいところで、なんのための家づくりかわからなくなってしまいます。そこで私の場合は、施主と一緒に家づくりをはじめるとき、予算については一切聞かないことにしています。つまり、予算を前面に出して考えるのではなく、家づくり全体を考えるなかに、予算の問題も含まれていると、とらえているのです。予算を最初に掲げてしまうと、いろいろな面でプレッシャーとなって
表れてきます。たとえば、床暖房をこれから家を建てようとするとき、予算の決まっていない家族はありません。施主にとって、家を新築することは一生でいちばん大きな買い物になりますから、資金を捻出するためにローンを組むなどといったマネー計画は、ほとんど終了している場合が多いといえます。ただ、ここで問題となるのが、施主がこの「予算」に固執してしまうということです。その結果、ハウス 設置したいと施主が希望したとします。このとき、「床暖房は高価なので、家の容積や建ぺい率は少なくなってしまいます」などと、いちいちコストのことをとりあげていたら、埒があかなくなるのは、言うまでもありません。

基本設計ができるまでの施主と建築家の二人三脚

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まず最初に、プランニングの段階では、リビング、キッチンとダイニング、子供部屋の順で、家族がどのように暮らしていきたいのかを中心に考えてきました。藤井家の場合では、家族会議を開いて家族の要望をまとめていましたが、このように家族会議を開くことは、スムーズな打ち合わせをするポイントですから、ぜひ行ってもらいたいものです。つぎのプレゼンテーションでは、施主の希望を盛り込んだ平面図を私の事務所が提案し、それを施主は検討していくことになりました。藤井さんとのケースでは、顔を合わせての打ち合わせができない代わりに、FAXを用いたということが意外に効を奏することになりましたが、このように、気になる部分や思いついたこと、不満な点も含めて、細かいことでもすべて建築家に伝えるという姿勢が大切になります。つぎに、ラフ設計案が固まった段階で生活動線を確認していきます。同時に外観デザインや内部デザイン、収納なども検討していくことになりますが、ここでも、これまでの生活スタイルに合わせてチェックすることが大切でした。そして、最終的な平面図の決定、つまり基本設計が決まるまでは、納得いくまで打ち合わせていくことが、思い通りの家をつくるカギです。施主によっては遠慮してしまうらしく、なかなか思ったことを言えなかった、というケースもあるようですが、建築家は、伝えられた希望に対して最大限の努力はしますし、できないものについては、できないとはっきりと伝え、その代案を出してくれるはずです。それがプロの仕事ですから、施主は建築家に対してまったく遠慮など必要ないのです。
不動産、リフォームと言えば、←こちらのサイトがお勧めです。
ハウスメーカーや建築家に「お任せ」にしてしまう人が多いなかで、藤井さんのように、家に対してポリシーをもって参加する施主は稀です。私は、これからはもっと、このようにポリシーをもった施主と一緒に、お互いが納得のいく家をつくっていけたらいいと考えています。